イギリス、世界の核のゴミ捨て(リサイクル)場?最大野党キリスト教民主同盟(CDU)は、「1)職を失う人々が多数で る。2)核安全対策の悪い隣国から電力の輸入しなければならなくなる。 3)他の発電所の生産を高めることで二酸化炭素を排出、大気汚染につ ながる。」という理由で、これに反対。「2002年の総選挙で勝てばこの 合意をなくすことが出来る」とまで言っています。 97年の統計では81%のドイツ人が原子力発電を容認しているとのことで すが、今回のニュースは“環境にやさしい(うるさい!?)ドイツ人”の ステレオタイプ復活が感じられました。 *** 原子力に関してはイギリスも話題につきません。 ピーターラビットで有名なイギリスの湖水地方のすぐ隣には「世界の核 のごみ捨て場」・「悪魔の工場」と呼ばれるセラフィールド核燃料再処 理施設があります。ここ英国BNFL社(英国原子燃料会社)の工場には日本 からも核燃料再処理を委託されているということなので驚きです。 ここでは原発で燃やした核燃料の燃えかすを再利用するため、“死の灰” を細切れにして、硝酸液で溶かし、ウランやプルトニウムを取り出しま す。 イギリスのセラフィールド再処理工場では、毎日900万リットル以上の 放射性廃液をアイルランド海に放出しており、過去に起こした放射能漏 れ事故のせいか、健康被害についても周辺でガン、白血病が多発してい るという報告があります。政府が実施した未成年者の歯の分析調査では、 プルトニウムによる汚染がセラフィールドを中心に同心円状にイギリス 全国に及んでいることが判明しています。 *** 湖水地方に比較的近いダーラムも、放射能とは無関係ではないようです。 と言ってもこちらの原因はセラフィールドではなく、チェルノブイリ。 先輩に聞いた話ですが、物理学部のプロジェクトで“地中の放射線を調 べる”というのがあり、調べた結果、チェルノブイリ事故のころの地層 (と言ってもそんなに深くありませんが)から大きな放射能を検知した とのこと。ちょうどダーラムの上を放射能の風が通っていったそうです。 この事実を知らないめーさんは、ダーラムを子育てには最高の場所だと 言ってくれています。(人体に影響を及ぼすほどの放射能はありません、 念のため) こんな危ない(?)イギリスですが、もっと危ないことが好きな方はセ ラフィールドの工場へ行かれては?見学者は年間15万人にのぼるという ことです。結構おもしろいのかもしれません!? あきべえ ◆参考◆
◆人名・地名の紹介◆ あきべえ:在英8年。ダーラム大学院で物理の勉強中。クリスチャン。 めーさん:妻。アマチュア・コーラスに参加。2週間後に発表。 恵花(あやか):朝起きて、ちゃんとおまるでしーしーした! ダーラム:イギリス北部の小さな大学街。世界遺産の放射能&お城あり。 ◆あきべえへメール◆ |
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