あきべえの、
いぎりす大学院留学にっき!
■http://akibee.hoops.ne.jp/uk/■
イギリス大学の卒業試験地獄
≪写真:試験中は何かとふざけたがる学生たち≫
現在イギリスは試験一色。我がダーラム大学はまさに学年末試験真っ只
中です。全国的な大学入試試験(Aレベル)も今まさに始まろうとして
います。
毎朝(ノートを見ながら)こわい顔をして歩く学生達とすれ違うので、
なにかと学部生の行動にうとい大学院生である僕も「あ、試験が始まっ
たんだ」とすぐ分かります。2年前は試験監督というおいしいバイトをし
て、イギリス人のおもしろい試験態度について書いたりした僕ですが、
今年は彼らの険しい顔をみるに絶えれなく、断念。彼らほど勇気のない
僕は「皆が力いっぱい実力を発揮できますように」と祈りながらも、彼
らを避けて静かな森の小道をぬけて研究室へ通う日々を送っています。
*
ご存じの通りイギリスの大学は卒業したらいいというものではありませ
ん。卒業した時の成績によって将来が決まると言っても過言ではないか
らです。試験の結果+総合評価で得点がつけられ、それによって上から
1st (〜70%) → 2:1 (69〜60%)→ 2:2 (59〜50%) → 3rd (49〜40%)
という『学士号(BA, BSc)』がもらえます。39%以下は Pass →
Recommended Pass → Fail となっているそうですが、もともと 39%
以下をとるような人は2年生の時に落第/退学してしまっているので、
めったに Fail をもらったと言うことは聞きません。
「なんだ、70%で主席なんだ」と思われるかもしれませんが、(できの
わるい僕の感覚で、ですが)こっちの70%は日本の90〜95点はあると
思います。この『1st(ファースト)』を取る人は物理学部では100人中
5人弱、語学系の学問では20人中1人いるかいないかという感じです。
マネージメント・国家公務員・研究・博士号など(俗に言う)エリート
コースを目指す学生たちは 2:1(ツー・ワン:日本の80点)は取らない
とならないので、みんな必死になって勉強するわけです。
*
ケンブリッジ大学の大学院を目指している僕の友達は今、Take away の
試験なるものに追われています。「持って帰れる試験なんだったら、辞
書も本も友も使えるし楽でしょ?」と聞くと、「持って帰れるからよけ
い難しいんだよ」とのこと。言語学を専攻しているその韓国人の友達は
「日本語と韓国語の受動態」なるタイトルの試験を選び、なんと4日間
一睡もせずエッセイを書き続け、ろくにものも食べないで死にそうにな
っていました。
「かわいそうに、胸が痛む」と思った瞬間、早々と試験を終えた別の友
達と会って「やったー、終わった!おめでとう!」と一緒にお祝い気分
に浸ったり、またこわい顔して歩いてる学生に会って気持ちが重くなっ
たり・・・気持ちをコロコロ変えねばならぬ、気楽なはずの傍観者の複
雑なつらさが身に染みました。
注:もちろん何も勉強しないのに主席で卒業する天才もいます。「なぜ
オクスブリッジ(オクスフォード+ケンブリッジ)に行かなかったの?」
という質問に、「ダーラムが好きだから」と。うん。なぜか納得。ダーラムびいきのあきべえでした。
あきべえ
≪写真:洪水。左下に車の屋根が見える≫
PS ダーラムは洪水で車の屋根まで水が漬かりました。ダーラムに長い
掃除のおばちゃんもこんなのは初めてとか。
◆追加情報◆
00.06.16. マイクロソフトのビル・ゲイツ氏が「ドクター・オブ・ヒューマニティーズ(LHD)」を立教大学から授与しました。講演の冒頭では「私は大学(米ハーバード大)を卒業できなかったので父が喜ぶだろう」と会場を沸かせたそうです。大学の成績が社会で通用できるかどうかは別問題のようですね。ところで、呼び名はミスター・ゲイツからドクター・ゲイツになるのでしょうか?
◆人名・地名の紹介◆
あきべえ:在英8年。新しい5万円のPCをねだられ、財布がかなしい。
めーさん:あきべえの妻。新しいPCでインターネットが出来て嬉しい。
恵花(あやか):20ヶ月。ダンボールで家を作ってもらい、嬉しい。
ダーラム:イギリス北部の小さな大学街。洪水で川があふれて悲しい。。
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あきべえ
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